今年のJポップ界は、時代や世代を超えて心に響くような曲が再評価された年だった。8月に作詞家の阿久悠さんが亡くなった。追悼番組を見ながら、ピンク・レディーや山本リンダらの曲を、つい口ずさんだ人も多いだろう。胸に残らない歌詞が多い今、言葉の持つ力を改めて感じさせてくれた。
1990年代前半の曲を収録し人気を得たのはコンピCDの「R35」。トレンディードラマやCMから数々の名曲が生まれたあの時代。当時を懐かしむ30代以上に支持されて、4月の発売以降、年末まで売れ続けた。年配者に受けてロングセラーとなった点では、女性シンガーの曲のみをカバーした徳永英明の「VOCALIST3」(8月発売)も同じ。徳永は同収録曲で小林明子作曲の「恋におちて~Fall in Love~」を紅白で披露する。
「結婚した人はCDを買わない」。ポップス界では長くそういわれてきたが、両企画盤のヒットなどで見方が変わりつつある。音楽界の分析を行うマーケティングアナリストの馬場博さんも「徐々にではあるが(CDを買って音楽を聴く)リスナーの年齢層が広がっている」と話す。
一方、新人で脚光を浴びたのは福島を拠点にする「GReeeen」。力強く安定したハーモニーは来年も注目されるだろう。仙台を拠点にする「MONKEY MAJIK」、名古屋を熱くする「SEAMO」ら地方在住のアーティストの飛躍は今年も音楽界を盛り上げた。
市場全体では、日本レコード協会が2月に発表した昨年実績で、有料音楽配信の売上金額が初めてシングルCDを上回ったことが明らかに。「シングル曲は配信で」という流れは今年も続いた。
だが、秋川雅史の「千の風になって」のように真に“歌力”のある曲はシングルでもむしろCDで購入する人が多いとみられる。「千~」はシングルで今年唯一のミリオンセラー(100万枚超)となり、オリコン年間ランキングの1位にも輝いた。クラシック界の歌手が首位になった結果を、ポップス界に携わる人がどうとらえるか。来年以降の奮起を期待したい。(安田幸弘)
(ヤフーニュースより引用)




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